住宅の長期寿命化促進税制の創設
平成20年6月

新築された長期優良住宅(いわゆる「200年住宅」)に係る課税の特例措置が創設されました。
なお、固定資産税について減税措置が創設されました。

(1)長期優良住宅に係る登録免許税の軽減措置の創設
長期優良住宅について、新築住宅に係る特例税率が一般住宅より引き下げられました。

区分 税率
本則 一般住宅特例 長期優良住宅
所有権保存登記 4/1000 1.5/1000 1/1000
所有権移転登記 20/1000 3/1000 1/1000

【適用時期】
長期優良住宅の普及の促進」に関する」法律の施行日から平成22年3月31日までの間に新築又は取得(未使用のものに限る)された長期優良住宅について適用されます。

(2)長期優良住宅に係る固定資産税の減額措置の創設

@制度の概要
長期優良住宅については、新築住宅に係る減額特例の適用期間が一般住宅より長く設定されました。

区分 一般住宅特例 長期優良住宅(注)
戸建て 1/2に減額(3年間) 1/2に減額(5年間)
マンション 1/2に減額(5年間) 1/2に減額(7年間)

(注)1戸当たり120平方メートル相当分までに限られます。

A申告要件
新築された長期優良住宅について、認定を受けて建てられたことを証する書類を添付して都道府県に申告する必要があります。

【適用時期】
長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行日から平成22年3月31日までの間に新築された長期優良住宅について適用されます。

(3)長期優良住宅に係る不動産取得税の軽減措置の創設

@制度の概要
長期優良住宅については、新築住宅に係る課税標準からの控除額が、一般住宅より拡大されました。

区分 課税標準からの控除額
一般住宅特例 1,200万円
長期優良住宅(注) 1,300万円

(注)床面積の要件は、新築住宅に係る現行の特例措置と同様となります。

A申告要件
新築された長期優良住宅について、認定を受けて建てられたことを証する書類を添付して都道府県に申告をする必要があります。

【適用時期】
長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行日から平成22年3月31日までの間に新築された長期優良住宅について適用されます。
なお、本制度は新築住宅に係る現行の特例制度に代えて適用されます。

(財団法人全国法人会総連合編『平成20年度 税制改正のあらまし』)

住宅の省エネ改修促進税制の創設
平成20年6月

一定の省エネ改修工事を行った場合の税額控除制度が創設されました。
また、住宅ローン控除制度の適用対象に大規模の修繕又は模様替等に至らない一定の省エネ改修工事が追加されました。
なお、固定資産税について減税措置が創設されました。

(1)住宅の省エネ改修工事に係る税額控除制度の創設
省エネ改修工事等(注1)に充てるために借り入れた住宅借入金等(注2)の年末残高の一定割合が、所得税の額から控除されることとなります。

控除期間 住宅借入金等の残高 控除率
5年 省エネ改修工事を含む増改築工事費用
(1,000万円を限度)
1%
うち特定の省エネ改修工事費用(注3)
(200万円を限度)
2%

(注1)省エネ改修工事等

内容 居室の全ての窓の工事
上記と併せて行う 床の断熱工事
天井の断熱工事
壁の断熱工事
要件 改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となること。
改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められること。
工事費用の合計額が30万円を超えること。

(注2)住宅借入金等
省エネ改修工事等に充てる住宅借入金等で、償還期間5年以上のものをいいます。

(注3)特定の省エネ改修工事
前記(注1)の工事のうち、改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年基準相当となると認められるものをいいます。

【その他の要件】
本制度は、次に掲げる者が行う省エネ改修工事等の証明が必要となります。
@住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関
A建築基準法に基づく指定確認検査機関
B建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士

【適用時期】
省エネ改修工事等を行った家屋を、平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合に適用があります。
また、本制度は(2)の「住宅ローン控除制度」との選択適用になります。
なお、2年以上の居住年に係る住宅ローン控除の調整措置が講じられています。

(2)住宅の増改築等に係る住宅ローン控除制度の拡充
住宅ローン控除制度の適用対象に、大規模な修繕又は模様替等に至らない一定の省エネ改修工事が追加されました。

控除期間 税額控除率 ローンの年末残高
(ローンの償却期間
工事費 適用期限
10年間 1〜6年目:1%
7〜10年目:0.5%
2,000万円以下の部分
(10年以上)
100万円超 平成20年12月31日
までの入居
15年間 1〜10年目:0.6%
11〜15年目:0.4%

【その他の要件】
上記(1)の「その他の要件」と同じ。

【適用時期】
増改築等をした居住用家屋を平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合に適用があります。
また、本制度は(1)の「住宅の省エネ改修工事に係る税額控除制度」との選択適用になります。

(3)省エネ改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置の創設
一定の省エネ改修工事(注)を行った住宅(賃貸住宅を除く)は、改修工事が完了した年の翌年度分に限り、その住宅に係る固定資産税の1/3を減額する。
(1戸当たり120平方メートル相当分までに限られます)

(注)一定の省エネ改修工事

内容 窓の工事
上記と併せて行う 床の断熱工事
天井の断熱工事
壁の断熱工事
要件 それぞれの工事によりそれぞれの部位が現行の省エネ基準に新たに適合することとなるものであること。
工事費用の合計額が30万円を超えること。

【申告要件】
本制度の適用を受ける場合は、改修後のそれぞれの部位が省エネ基準に適合することになったことにつき、次に掲げる者が発行した証明書を添付して、改修後3月以内に市町村に申告しなければなりません。
@住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関
A建築基準法に基づく指定確認検査機関
B建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士

【適用時期】
平成20年1月1日に存していた住宅で、平成20年4月1日から平成22年3月31日までの間に一定の省エネ改修工事を行ったもの(賃貸住宅を除く)について適用されます。

(財団法人全国法人会総連合編『平成20年度 税制改正のあらまし』)

住宅関連の源泉所得税について
平成20年5月

住宅の省エネ改修工事等に係る住宅借入金等特別控除の特例が創設されるとともに、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等の範囲が拡充されました。

(1)現行の取扱い
居住者が、住宅の取得等(一定の要件を満たす居住用家屋の新築、購入又は増改築等をいいます。)をして、平成20年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合において、その者がこれらの住宅の取得等のための住宅借入金等を有するときは、一定の要件の下で、居住の用に供した年以後10年間(平成11年1月1日から平成13年6月30日までの間に居住の用に供した場合は15年間)、その住宅借入金等の年末残高の合計額を基礎として定められた控除率により計算した金額をその年の所得税額から控除することができることとされています。(以下「現行特別控除」といいます。)。
また、平成19年度の税制改正において、税源移譲の実施に対応するための控除額の特例(以下「税源移譲対応特例」といいます。)及びバリアフリー改修工事に係る控除額の特例が創設されています。

(2)改正の内容

イ 住宅の省エネ改修工事等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例の創設
居住者が、その者の居住の用に供する家屋について省エネ改修工事(
注1)を含む増改築等(以下「省エネ改修工事等」といいます。)を行った場合において、当該家屋を平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件(注2)の下で、次の表にある増改築等住宅借入金等の年末残高の限度額、控除率及び控除期間の特例について、増改築等に係る現行特別控除又は税源移譲対応特例との選択により適用できることとされました。

  増改築等住宅
借入金等の
年末残高の限度額
控除率 控除期間 各年の
最高控除額
最高
控除額計
@省エネ改修工事等に係る費用 1,000万円 1.0% 5年 12万円 60万円
A特定の省エネ改修工事に係る費用
  (
注3
200万円 2.0%

(※)増改築等住宅借入金等の年末残高の限度額は、@とAの合計で1,000万円となります。

(注1)
省エネ改修工事とは、@居室のすべての窓の改修工事、又は@の工事と併せて行うA床の断熱工事、B天井の断熱工事若しくはC壁の断熱工事のいずれかに該当する工事であって、次に掲げる要件を満たすものをいいます。
イ 改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となること
ロ 改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること

(注2)
一定の要件とは、次に掲げるものをいいます。
イ 住宅借入金等の償還期間が5年以上のものであること
ロ 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する省エネ改修工事等の証明書の交付がされること
ハ 省エネ改修工事に係る費用の合計額が30万円を超えるものであること
ニ その他増改築等に係る現行特別控除と同様の要件を満たすこと

(注3)
特定の省エネ改修工事とは、省エネ改修工事のうち、改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年基準相当となると認められる工事内容のものをいいます。

ロ 現行特別控除及び税源移譲対応特例の対象となる増改築等の範囲の拡充
省エネ改修工事が現行特別控除及び税源移譲対応特例の対象となる増改築等の範囲に加えられました。
この改正は、増改築等を行った家屋を平成20年4月1日以後に居住の用に供する場合に適用されます。

給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例の適用期限が平成22年12月31日まで2年延長されました。

(国税庁通達文書より)


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